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家族に関するトラブル

婚約不履行

婚約とは、「将来適法な結婚をしようとする男女間の合意」を言います。
つまり、当事者の合意さえあればよいので、婚約が成立した時期というのは非常に曖昧です。婚約時に契約書を交わす人などもいないでしょうし。

裁判においては、いろいろな間接事実を積み上げて、当事者の合意を推定していくというのが一般的手法です。
婚約が成立したということになれば、婚約した当事者双方は、誠実に交際し、やがて婚姻を成立させるように努める義務を負います。
従って、正当な理由なき婚約不履行(婚約破棄)は、上記の義務に違反しますから、破棄された側は、損害賠償(慰謝料)請求が可能となります。

離縁・養子縁組無効

離縁とは、養子縁組を解消することです。離婚と同様、一方当事者の自由に養子縁組を解消することは出来ません。
正当な理由のない離縁請求は出来ませんし、一方的に離縁に追い込まれた者は、損害賠償(慰謝料)請求が可能となります。

法的な対応としては、離婚とほぼ同様です。
また、本人の知らぬ間に勝手に養子縁組をさせられていたり、相続人の数を増やすことによって他の相続人の相続分を意図的に減らす目的で養子縁組を偽装するようなケースがあります。
このような場合は、不本意な養子縁組をさせられた本人、または、偽装された養子縁組によって不利益を受ける相続人は、養子縁組無効を裁判所に確認してもらう必要が生じます。

認知・親子関係不存在

法的な親子関係があるか否かは相続の際にクローズアップされます。
認知とは、非嫡出子(婚外子)について、その父又は母との間に、意思表示又は裁判によって親子関係を発生させる制度のことです。

認知が問題となるのは主として父親ですが、父親が任意に認知に応じない場合は、認知訴訟を提起することになります。また、実際には親子関係が無いのに、法律上の親子とされてしまっているような場合には親子関係不存在の確認を求める必要が生じます。

財産管理(成年後見)

高齢になれば、誰しも判断能力に不安が生じます。
財産管理を適切に遂行するには、時として高度な法的判断が要求されますので、認知症とまではいかなくとも、判断能力の低下を実感するに至れば、財産管理を法律専門家に委ねる必要が生じるのではないでしょうか。
判断能力が完全に無くなってしまった段階では、法律専門家へ「依頼」するという行為自体が不可能になりますから、判断能力を有している間に将来の財産管理人を決めておく必要があります。

このようなニーズに応える制度が任意後見契約というものです。

任意後見契約とは、将来の後見人の候補者を本人があらかじめ選任しておくもので、後見人候補者(受任者)と本人が契約当事者となります。この契約は、公正証書によって行われます。
後見人候補者を選定される場合、家族に適任者がいなければ、弁護士を選任されることをお勧めします。

また、任意後見に対する制度として法定後見というものがあります。
任意後見が「契約」であるのに対し、法定後見は家庭裁判所が「審判」という形で、法律に基づいて成年後見人を選任します。
成年後見人は、判断能力を完全に失った人の法定代理人として、あらゆる法律行為を代理します。

成年後見制度の目的は、本人の財産保護にありますが、本人は既に判断能力を失っていますので、周囲の者が財産保護を意識する必要があります。
従って、判断能力の減退した高齢者の財産が食い物にされていると感じた近親者(配偶者、四親等内の親族など)は、成年後見制度を利用して本人の財産が不当に散逸しないよう対応することになります。
ちなみに、成年後見人は親族がなることも可能ですが、親族間に争いが生じているような場合は、中立な第三者である弁護士などが成年後見人に選任されます。